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農作業中の事故防止


どんな時に
一年を通してみると、5月~9月が最も多く発生しています。
この時期は、田植えや稲刈り、施設園芸の準備期になるので、その際のトラクター等の事故が多いようです。
他にも、夏の気温上昇による熱中症からくる事故も発生しています。
時間帯でみると、10時~12時と14時~16時が最も多く事故が発生しています。
どちらも単調な仕事が続き、精神的、肉体的にも疲労がピークに達する時間帯になります。午後は、通常の作業であっても帰宅後のことを考えたりして集中力が欠けてしまい、普段なら気付くはずの危険も見落としてしまいがちになり、大きな事故に発展してしまうケースもあります。
どんな事故が
主な事故原因は、トラクター等の機械の事故です。機械に乗車中の転倒や転落、挟まれ、巻き込まれなどによる事故、草刈り機や収穫機械のカッター部分による事故などがみられます。
機械による事故だけでなく、鎌やはさみなどの刃物を使用中の事故や、ハウスのビニール張り中の転落事故、自然災害による事故等も発生しています。
また、宮崎では畜産も盛んなので、畜産に関する事故も多く発生しています。畜舎清掃中の転倒事故や、家畜による接触事故、飼料生産時の機械による巻き込まれ事故や運搬時の転落挟まれ事故などです。
これらの統計は、保険に加入している方のみの統計なので、実際はもう少し多くの方が農作業中に事故に遭っているのではないでしょうか。
大きい事故は発生していなくても、ヒヤリとした経験がある方も多いはず。そういうヒヤリ体験が積み重なると、大きな事故につながることもあります。

原因は
主な原因は、思い込みや勘違いなど些細なできごとです。


自動車事故でよくいわれる「~だろう運転をなくそう!」。
これは、農作業中にもいえることです。
いつも何もないから大丈夫だろう、少しの間だからエンジンは切らなくても大丈夫だろう、多分このくらいで大丈夫だろう…など、この「~だろう」と思っている作業が、後々後悔するような大きな事故につながってしまう可能性があるのです。
「今まで一度も事故を起こしたことがないし、機械も使わない。簡単な作業しか行わないから大丈夫」と思っている方は、特に気を付けましょう。
どんな人が
7割近くが高齢者の事故!
近年は農作業従事者の平均年齢が高くなってきたということもありますが、事故者の約70%が60歳以上となっています。
年齢が高くなると、視力や平均機能、とっさの判断力等の心身機能は低下します。このため事故を起こしやすくなり、怪我の程度も大きくなる傾向にあります。
事故防止のためには、自分の体力等が昔とは違うということを十分に理解した上で、余裕を持って作業することが大切です。
だからといって、若い人が事故に遭わないというわけでもありません。
各々が自分の体力等を理解した上で作業にあたり、農作業中の事故をなくしましょう。
農作業中の事故をゼロにするには
農作業事故の危険性は、作業者の意識や事前確認の徹底で減らすことができます。
国の農業労災保険
労災保険制度とは、労働者の傷害等に対して保険給付を行う制度です。農家の事業主やその家族、雇用労働者が怪我などをした場合、治療費や入院費、万一の場合の葬儀費用や遺族補償などの補償を受けることができます。
労災保険には種類があり、雇用者(求職者)のための「一般労災保険」と、事業主(求人者)が加入できる「特別労災保険」があります。
種類 | 事業主のための「特別労災保険」 | 雇用者のための「一般労災保険」 |
補償対象となる人 | 事業主(求人者)、求人者の親族 | 雇われた人(求職者) |
加入条件 |
| 労働者であれば誰でも加入できます |
保険の適用範囲 | 土地の耕作・開墾、植物の栽培採取、家畜・蚕の飼育の作業で、次に掲げる作業
|
|
留意事項 |
| 昼食に自宅に帰る場合の通勤や、通勤途中に買い物等をするため通勤経路から外れた場合は、補償されない場合があります |
※詳しくは、厚生労働省ホームページ(コチラ)をご覧下さい。

組合員の皆さまが労災保険に加入する場合の加入手続きは、JA(営農支援課 0983-35-4129)で受け付けております。
JAの農作業中傷害共済
特長
個々に加入申し込みをしなくても、代表者1名が加入していれば、一緒に作業をしていた親族や雇用した求職者も補償対象になります。
本人はもちろん、その親族、雇用者が農作業中の事故で負傷したり、万一死亡したりした場合は、共済金をお支払いします。
補償範囲
農作業を目的とする作業(農作物の栽培管理、収穫に関する作業、畜産に関する作業)。
作業には、住居と農作業場、集出荷場との往復や生産物の出荷作業、農作業用の資材運搬作業などが含まれます。
ただし、次の方はご加入いただけません。
□ 年齢が100歳以上の方
□ 別に定める「現症表」に掲げる現症を有する方
□ 組合員以外の個人契約(記名被共済者限定特約を付加する場合は除きます)
災害に該当する案件
急激かつ偶発的な外来の事故。
※持病が原因の傷害や、意図的な傷害、熱中症による傷害は、共済金支払いの対象にならない場合があります。
補償内容
部位症状別のお支払いとなりますので、契約者の方が加入された
部位症状別の金額 × 倍率(怪我した部位や症状によって異なります)
でのお支払いとなります。
たとえば…
部位症状別5,000円 死亡共済金500万円 の農作業中傷害共済に加入していた場合
雇用した人が農作業中に手首を骨折する事故があった場合
ア)5日未満の通院の場合は
部位症状別5,000円 × 2倍 = 10,000円 のお支払いになります。
イ)5日以上の通院または入院を伴う治療の場合は
部位症状別5,000円 × 35倍 = 175,000円 のお支払いになります。
※入院一日につきいくら支払う、通院一日につきいくら支払う、という補償ではないので実際かかった費用すべてがまかな
えない場合もあります。

※詳しくは、各支店・支所共済窓口へお問い合わせ下さい。
労働基準法
個人や家族のみで農業を営んでいるときには労働基準法の適用はありませんが、労働者を一人でも雇うと、労働基準法の適用に該当することになります。
労働基準法は、労働条件の最低基準が規定されていて、罰則規定もある強行法規です。

労働条件の原則
給料などの労働条件は、労働者が人としての生活ができるものでなければなりません。
労働条件とは、給料のほかに、労働時間、解雇、安全衛生など職場のすべての待遇をいいます。
労働条件の決定
雇用主と労働者とでは力関係に差が出てしまいがちなので、労働基準法では、労働条件を対等に決めることを求めています。
そして、給料や労働時間など、雇用主と労働者との間で取り決めたこと(労働契約)は、両者とも守らなければなりません。
均等待遇
労働者の国籍、信条、社会的身分を理由として、賃金、労働時間、その他労働条件による差別的扱いをしてはなりません。
男女同一賃金の原則
単に女性である、というだけで男性と給料に差をつけてはいけません。
(ただし、労働者の職務、技能、能率等によって賃金に個人的差異があることは、本条に設定する差別にはなりません。それら以外で差がないのに、男女間で賃金に差を設けることは労働基準法の違反になります)
強制労働の禁止
雇用主は、暴行や脅迫などによって労働者を強制的に働かせてはいけません。
また、現実に労働していなくても、不当な手段による強制があった場合は、労働基準法違反となります。
賃金の支払い
① 通貨払いの原則(現物給与の禁止)
雇用主は、給料を通貨で支払わなければなりません。
② 直接払いの原則(中間搾取の排除)
労働者本人に、直接支払わなければなりません。
③ 全額払いの原則(賃金支払い一部保留の禁止)
給料の全額を支払わなければなりません。
④ 毎月払いの原則
前もって日が特定され、その日が周期的に到来する必要があります。
⑤ 一定期日払いの原則
収入の定期性の確保。
※④、⑤は長期雇用の場合は、きちんと毎月労働者へ給与を支払って下さい、という意味です。
現在の宮崎県の最低賃金はコチラ(厚生労働省宮崎労働局 0985-38-8836)でご確認下さい。
必ず最低賃金以上でのお支払いをお願い致します。
労働者災害補償保険
労働者が業務上の(求人者の圃場への行き帰りや、作業中の事故等により)傷害を負った場合、雇用主は必要な治療を行うか、必要な療養の費用を負担しなければなりません。
※なお、無料職業紹介事業では、求職者(労働者)を派遣できる条件として、
求人者(雇用主)が傷害共済(労災または農作業中傷害共済)に加入していること、
としています。
傷害共済の加入が確認できない場合は、求職者の派遣ができませんので、傷害共済に加入いただいている場合でも、契約期間
の確認をお願い致します。傷害共済にまだ加入していない場合や、契約期間が終了している場合は、派遣依頼の連絡をいただ
く前に、傷害共済への加入をお願いします。
個人情報について
労働者を雇用したことにより知り得た個人情報等については、無料職業紹介事業の連絡等の目的以外で使用したり、他人へ漏らさないようにお願いします。
